2010年07月17日

「地球温暖化と異常気象」・今週発行したメルマガ原稿です。

1,□■【本編】■□~「地球温暖化と異常気象」~

●今年の梅雨は、やたらと激しい雨が至る所で降り続きますね。今までも、集中豪雨と言う呼び方で呼ばれていましたが、どちらかと言うと台風の進路に沿って大雨が襲ったり、年度によって地域が変わったりという形で、どちらかと言うと季節や年回りのサイクルのようなものが有りました。

ところが今年は、南から北まで日本列島をすっぽりと覆うような形で、ゲリラ戦のような断続的な集中豪雨が至る所で起こっています。気象科学の専門家は、今年の春まで続いたエルニーニョの影響で、偏西風のひだが中国大陸から日本列島まで大きく南に下がって蛇行している事が原因では無いだろうかと言うことです。

冷たい大陸高気圧と、暖かい湿潤な太平洋高気圧の谷間が丁度日本列島の真上でぶつかり合って、山岳地方を中心に大量の激しい雨を降らせているという分析のようです。

なるほど、日本で大雨が起こっている原因は何となく判りました。でもその偏西風の湾曲やエルニーニョの原因になっているのは何なんでしょう?。日本の異常気象は、すなわち地球規模の世界の異常気象と密接な関係が有ると考えられます。

原因については様々な説が有るようですが、最も信憑性の高い説はやっぱりなんと言っても、地球全体の気温上昇による様々な異変が上げられています。

地球温暖化といわれる現象そのものは、惑星サイクルの中では大した変化では無いのかも知れませんが、かつては海や陸が有ったらしいと思われる火星の砂漠化した現在の姿を考えると、地球の環境も何れはそうなる危険を含んでいると考えるのが自然です。

地球の自然は、窒素と酸素と微量の二酸化炭素やその他のバランスで大気が構成されて守られています。その大気が、太陽光の直射日光を適度に遮ってくれたり、自然の断熱材として昼夜の気温差を適度に和らげてくれたりと、生命が存在できる環境を作ってくれています。

ところが、創世記の地球は惑星内の内部火山活動が活発で、水蒸気を含んだ炭酸ガスを大量に噴出し、二酸化炭素を80%も含んだ炭酸ガスの大気で覆われていて、高温で生命体の存在しない惑星だったそうです。

徐々に地球の内部活動が沈静化すると同時に、水蒸気が太陽のエネルギーで水素と酸素に分化され、水素と酸素は炭酸ガスの雲で発生した雷による電力の科学反応で結合して、水に変化し大地に降り注ぎ地上の海となりました。

地球は地軸が傾いていることで、太陽の周りを公転する事により起こる南北の日照量の変化が大気と海洋の奇跡的な対流を起こし、海と空との間で何度も何度も、降雨と蒸発を延々と微妙な変化を繰り返しながら規則的な歩みを繰り返しました。

そのことから、「火と水と風」と言う生命にとって必要な働きが理想的なバランスで作りこまれたのです。やがて地上の海に光合成でエネルギーを作り出せる生命体が大量に発生し、大気中の二酸化炭素は海とやがては陸の植物に取り込まれて、何代も間の永い年月を掛けて地中に固定され続けて来たのです。それが、石炭や石油と言うような化石エネルギーになったのです。

また一方で、二酸化炭素は植物とは別の進化を遂げた、動物生命体の骨や肉体の等の材料にも成ったのです。かつて動物は死ぬと他の動物に食われて、食った動物の肉体となりました。また、食われなくても土に返り、植物の養分となりまたそのまま大地に定着しました。

生命体の自然淘汰のバランスは、地球環境のバランスを保つ上で密接な関係が有ります。地球の平均気温と、植物や動物の生命体のバランスについていは、一見無関係に見えることでも、実は密接な関係が有るようです。
(ここのところは説明が長くなるので、次のページをご参照下さい。)
海と大気の生成と循環⇒ http://park5.wakwak.com/~ryo-tai/sub2.htm

とにかく、地球環境は私たちが考えているよりもデリケートな一面を持っています。それは、地球の平均気温が1度上昇すると海水が60C上昇すると言われていますが、南極・北極の氷が溶ける事だけでなく、大量の海水の体積が海水温上昇により膨張する為だと言われています。

表面だけの海水温上昇だけの内はまだ良いですが、深海まで温度が上がり始めると話は深刻です。予想を上回る海水上昇だって有るかもしれません。

現在のシュミレーションでは、50年後には地球気温が3~4度上昇する可能性が有ると予測されています。と言うことは、水位が最大2.4m上昇するかもしれないと言うことです。

そうなると平野部の海抜の低い場所は、海岸に近い所は勿論ですが、河川が近い所は相当上流部分まで、高波や高潮の影響を受ける危険が有ると言うことです。人間の安全は勿論、農作物や漁業等への影響は計り知れないものになると思います。

また、それだけ気温が上昇すると、ますます気象状況が変わって来ます。局地的な豪雨はますます激しさを増し、また一方で局地的に激しい旱魃(かんばつ)に見舞われます。例えば、今年は大雨でもう雨はこりごりだと思っても、来年は空梅雨で台風も側を通らないと言う年になるかも知れません。

また、地球の平均気温は上昇したといっても、それは地表のことに過ぎません。はるか上空のマイナス何十度と言う冷気団はやっぱり北極上空に渦を巻いていますので、気流の変化による偏西風の蛇行や寒気気流の立ての変化が大幅に起こったときには、大寒波が襲ってくることも有ります。

見事にバランスが取れているものほど、一度バランスが崩れてしまうとエントロピーが増大して、何れは一気に臨界点に達してしまい、極度の変化が瞬間的に訪れてしまうことは良く知られた現象です。

そうならないためには、人間が出来ることとしては出来るだけバランスを崩さないように努力するしか有りません。また、不幸にしてそうなった時に対応できる、何らかの対策を講じて置くことが必要です。

そこで、私たちが全体の為に今すぐ出来る事は、二酸化炭素排出を抑える為の生活習慣に切り替えることです。それは省エネであったりエコライフであったり、生活コストの無駄を省きエコに役立つ機能にコストを掛けることも大事です。

そして、私たちが自分や家族の為に計画を立てて出来居る事は、生活と仕事の拠点を出来るだけ安全な所に移動することです。なるべく低地の海岸や河川の近辺を避けて、又、高地でもがけ下やがけ上、扇状地の山すそのくびれた場所等も避ける事です。

市街地でも、河川の中須地帯が開発された場所は危険です。地表はコンクリートで覆われていても、地下では地下水の巨大なトンネルが出来ている場合があります。

単純に仕事や交通買い物の便利さだけで、安易に住まいの場所を決めるのは危険です。また、どうしてもそのような場所に住まう必要が有るなら、それにはそれなりの対策を講じて置くべきです。

何れにしても、世界的な異常気象は既に始まっていますので、「今まで大丈夫だったから」と言うのは通用しない新しい時代に来ています。自分や家族を守れるのは、結果的に自分達の決断しか有りません。

地球温暖化と異常気象と言っても、地球にとってはほんの少し風邪をひいた位の事で、それほど案じることは無いとは思いますが、大自然の一寸した変化は、地球上の私達のような小さな生き物にとっては、抗いがたい大きな出来事でもあります。

毎年、夏も近いこの時期になると思うことですが、台風や水害が日本の何処かで大切な人の命を奪っていきます。天災は忘れた頃にやって来ると言われていますので、今まで大丈夫だったところでも、危険のネタが有る以上要注意です。

今後はますます異常気象の影響が、地球上の各地に現れてくる可能性が有りますので、国内外問わず御気をつけ下さい。海、山、川の水の集まるところにはくれぐれもご用心です。

【参考】(文部科学省作/自由探索コースがとても良く出来ています)
「地球温暖化を阻止せよ」
 ⇒ http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0220a/start.html

本編は以上です。

今年の豪雨災害で被害にあわれた犠牲者の方のご冥福をお祈りいたします。



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Posted by murekaze at 10:09 │コラム

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